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サンパウロ総合大学キャンパス内に日本式の「交番」を設置

 地元メディアによると、サンパウロ総合大学と保安局は、9月から大学キャンパス内に新たな地域警察のモデルとして日本の交番を基にした移動式派出所を設置することを発表しました。保安局のアレシャンドレ・デ・モラエス局長は、サンパウロ市で1990年代に導入された日本式の交番を高く評価しており、今後はサンパウロ州立総合大学やカンピーナス総合大学にも拡大していく方針です。
 モラエス局長は「既に80〜120人の警察官がトレーニングを受けている」と説明、警察官はサッカーグラウンド470個分に相当する広大な大学キャンパスをパトロール、治安維持に当たると語りました。
 サンパウロ総合大学と保安局との交渉は年明けから始められていました。フェルナンド・カルドーゾ政権当時の法相でサンパウロ総合大学人権委員会の委員長を務めるジョゼ・グレゴリ氏は「大学キャンパスはサンパウロの街の一部となっている。サンパウロ総合大学はもはや以前のような孤立した場所ではなくなっている」と語っています。
 これまで学生団体は、軍警察は政治的・社会的な活動を抑制する目的で駐在させるとして、キャンパスに交番を設置することに反対してきました。しかし、敷地内でイプ事件が続発するなど学生たちも認めざるを得ないほど治安が悪化し、学生たちも日本式の交番設置に同意せざるを得なかったようです。