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政府が目玉政策を断念

 地元での報道によると、ジルマ大統領(労働者党=PT)は選挙キャンペーン時の主要公約の一つだった第2次経済活性化計画(PAC―2)「建築機材プロジェクト」を断念していました。同計画は全国の小規模市町村に建築用重機を寄贈するもので、これらの重機を使って各自治体が周辺道路の舗装、修復するのが目的です。同プロジェクト断念の背景は、事業管理が杜撰過ぎたことが指摘されています。
 報じたエスタード紙の調査会社「エスタドン・ダードス」の調査では、重機の買い上げを管轄する農務開発省を通じてブラジル政府に売った建築機材販売会社18社の昨年1〜4月の総売上額は25億レアルでしたが、今年の同時期には7500万レアルにまで縮小しています。
 昨年度の同プロジェクトへの投資額は55億レアルに達し、このうち60%が農務開発省による機材の買い上げでした。第1次ジルマ政権(11〜14年)を通して重機販売業者への支出が右肩上がりだったのとは対照的に、今年はこれらの企業への支払いが行われた実績が全くありません。
 同政策にはこれらの重機を使って道路の舗装や修復が行われているかどうかを政府が管理するシステムがなく、唯一の公式指標は市町村への寄付台数のみとなっています。寄付を受けた市町村の周辺で新たに舗装や修復が行われたかどうかは不明のままです。