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活力を取り戻す処方箋「国家輸出計画」発表

 ブラジル政府は24日、「市場へのアクセス」「販売促進」「貿易の円滑化」「輸出への融資と保証」「輸出支援のためのメカニズムと税制の改善」という五つの柱から成る「国家輸出計画」を発表しました。地元メディアによると、同計画は資金援助のほか、輸出手続きの合理化、簡素化を図り国産品の輸出を促進するものです。施策の中には、輸出向け融資プログラムの資金を約30%拡大することなどが含まれています。
 数年前までブラジル経済成長の原動力となっていた国内消費の勢いはすっかり失われ、自動車などの耐久財を中心に需要が縮小、飲食料品や日用品などの消費財を扱うスーパーマーケット部門の業績も伸び悩んでいます。消費低迷、衣料品や履物等に見られる輸入品の台頭で国内産業が弱体化。それに伴う生産縮小で人員削減が行われ失業率が上昇、景気回復の兆しが見えません。政府は、輸出拡大によって国内産業の活力を取り戻し、景気回復につなげたいと考えです。
 この計画が目論見通りに効果を上げるかどうかは、楽観はできないようです。政府の後押しを受けブラジル製品を競争力のある価格で国際市場に送り出しても、買い手が付くとは限りません。レアル安のドル高でブラジル輸出製品には有利な状況ですが、輸出は伸びるどころか縮小しているのが現状です。

輸出額は前年割れ

 2015年1〜5月の輸出額はドルが約20%上がっているにもかかわらず、14年同期比16%減と前年割れしています。アルマンドモンテイロ開発商工相は「このレアル安は(輸出拡大の)一つの機会ではあるが、十分ではない」と述べ、現在のレベルのレアル安ドル高では国際市場におけるブラジル製品の競争力は向上しないとの認識です。ブラジル機械装置工業会のカルロス・パストリザ会長は国家輸出計画について、「前向きなものだが、判断するのは実際に実施されてからのこと。今のところは約束でしかない」と指摘、政府の実行力を疑問視しています。
 ブラジルの年間輸出額は12年から3年連続で減少しています。世界貿易機関WTO)が今年4月に公表した資料では、ブラジルの輸出は14年に主要経済国30カ国の中で最も大きく落ち込んでいます。15年の輸出額について、ブラジル中央銀行は2000億ドルを見込んでいますが、これは14年実績(2250億ドル)を下回ります。中銀の予想通りとなれば、輸出額は4年連続で前年割れすることになります。