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高学歴者まで広がる失業の波

 地元での報道によると、景気低迷が長引く中、歴史的低水準とまで言われた失業率は今年初めから徐々に上昇し、その失業の波は大卒などの高学歴者にまで及んきました。
 大学卒業生はここ10年の間に年間52万8000人から同83万人に増大しました。政府が提供する修学資金貸与制度の利用などによって学費の工面が以前に比べて容易になったという事情があります。2010年から現在までの間に政府の制度を利用した者は約200万人に上ります。しかし、せっかく大学を卒業しても、今のブラジルでは仕事に就くことが困難なようだ。
 ブラジル地理統計院(IBGE)の最新の月次雇用調査(PME)によると、同調査の対象地域である国内主要大都市圏6地域(サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンテレシフェ、サルバドール、ポルト・アレグレ)における2015年4月の失業率(全体)は6.4%、若年層の失業率はその2.5倍の16.2%になっています。02〜14年にかけて、24歳未満の若年層の失業率は23.2%から12.0%へと11.2ポイント低下していました。経済調査院(Fipe)の調査担当者は「失業率が11ポイント下がるのに12年かかった。そして、たった1年で4ポイントも上昇した」と話しています。
 ジェツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre)のレアンドロ・モウラ教授は、「失業率はすべての年齢層において上昇しているが、良くない状況においては他に比べて若年層が苦しめられる傾向にある。一般的に若者は経験不足であり、学校教育の過程にあり、そして生産性が低い。不況下においては、間違いなく生産性の低い労働者が切られるというのが傾向だ」と話す。
 高校や大学、大学院を修了した若者らの失業率は今年4月、昨年の11.1%から14.6%に上昇した。サント・アンドレ大学(サンパウロ州)で環境工学を学び14年末に卒業した女性(22歳)は「サンパウロ州内や他州の企業あてに1日当たり50〜60通の履歴書を送ったが、私の専門分野の仕事は何一つ得られていない」と話す。この女性はすでに自分の専門分野の外にまで職探しの範囲を広げた。「(範囲を広げることで)もっと容易になると思ったが、専門分野での経験の要求に加えて、ブラジルの経済危機が(就職を)一層困難にしている」と窮状を訴えています。
 地理統計院が16日公表した統計によると、大学卒の就業者の数は12年から13年にかけて8.0%増加、886万1000人に達しています。また、就業者全体に占める大卒者の割合は13年時点で18.5%と2割にもなりませんが、給与支払総額に占める割合は41.8%と大な比重を占めます。大卒者とそれ以外の人とでは給与に大きな開きがあるためです。統計では大卒者の平均月収は4726.21レアル、そうでない人の平均月収は1525.36レアルと3倍もの開きがあります。