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レアル通貨下落で輸入品価格が2割高

 ブラジルではレアルが急激に下がった影響で、輸入品価格が20%以上も値上げになっています。値上がりしているのは日本食品だけでなく他の品物にも及び、家計を圧迫すると家庭の主婦は嘆くことしきりです。サンパウロ市東洋街の日本食品店で買い物する客は、この値上げ攻勢で安い品物を探すのに懸命です。
 日本から食材を輸入・販売している食品店で買い物していた専業主婦の高橋恵子さん(71)は、「サービスの値下げ商品を選んで買うなどして家計をやりくりしている。うどんは15レアルから18レアルに上昇し、レアル安後に輸入された商品は軒並み高くなった。日本製のカレーの値段も上がった」と相次ぐ値上げに悲鳴を上げています。価格上昇が顕著なのは、ウルグアイ産の日本米。30レアルから40レアルに上がりました。
 80代の主婦も「具体的な数値は分からないが、肌感覚では何でも高くなってる。でも(食品店の)お客が減ってる感じはしない。それよりも、日本食ブームなのかブラジル人の客が増えている」と話していました。
 東洋街の日本食レストランの経営者は「レアル安が起きる前に、仕入れた分が残っているため、まだ直接的な影響はない。今後、仕入れ値が上がり経営は厳しくなりそうだ。現時点では価格を上げるつもりはない」と良心的。
  日本から旅行で来ていた石木勇さん(66、広島)によると、「ここ4年から5年の間、半年ごとにブラジルに来ているが、来るたびに1割ずつ価格が値上 がりしている。タクシー、オニブス、リムジンバスも。円安とレアル安では相対的にはレアルの方の下げ幅が大きいので、両替えは多少得になる。でもブラジル の物価高で得した感じはない。日ブラジル間の航空チケットが航空会社と時期によってプロモーション(販売促進)価格で8万9000円と安いの はありがたい」と話していました。