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サンパウロ総合大学で電撃誘拐が増加

 フォーリャ紙の報道によると、今年に入ってから先月27日までの約3カ月間で、サンパウロ総合大学のキャンパスがあるブタンタン区で10件、さらにその周辺地区で12件の電撃誘拐事件が相次いで起きています。同事件で2件に関与したとみられる男性が逮捕され、被害者らに容疑者の面通しをすることで別の容疑者の身元も判明しました。同地区では、誘拐以外の事件で39人が逮捕されています。
 保安局のアレシャンドレ・モラエス局長はサンパウロ大学理事会と対策会議を開くなど警備強化に乗り出しています。対策の一環として、近くキャンパ警備強化のため軍警察官20人が配置される予定です。軍警配置については、大学内の政治的活動が監視されることを懸念する学生会の抵抗も予想されています。
 電撃誘拐とは誘拐後短時間で人質を解放することから名付けられ他事件です。この事件で狙われるのは自動車の持ち主が多く、犯人は車に乗ろうとする被害者を取り囲み、拳銃などで脅しながら現金自動預け払い機(ATM)まで連れて行き、現金を引き出させて強奪する手口です。
 今年1月には、エンジニアの男性(35)がジョギング中に3人組の男性に誘拐され、1時間後に隣接するサンレモ貧民街で軍警察により身柄を保護されています。被害に遭った男性は「車を停めたら隣にすぐ別の車が来て、降りてきた男が拳銃を向けて窓ガラスをたたいたのでドアを開けた」と誘拐時の様子を話しています。犯人は腕時計と携帯電話、銀行のキャッシュカードを奪った上で暗証番号を教えるよう強要したそうです。