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警官による発砲事件急増

 地元メディアによると、サンパウロ市内北部の住宅街で22日、勤務時間外に自動車で自宅近くを通った軍警察官のジルソン・テイシェイラ容疑者が隣人一家の3人と口論になった末に発砲し、1人が死亡したほか妊婦1人が重体となる事件が起きました。容疑者は、携帯電話で証拠動画を撮影しようとしたジュレマ・ベゼラさん(39)の胸に銃弾3発を発砲したとみられます。
 サンパウロ州では警察官による射殺事件が増加しており、州官報のデータでも明らかになっています。もっとも、警察官が発砲、相手を射殺した大半は「強盗に対する正当防衛」のためとしています。
 サンパウロ州では2014年度の1年間で警察官による発砲が963件記録されています。この数字は、カランジル刑務所で囚人111人が警察官に殺害された大量虐殺事件を含む合計1428件を記録した1992年以降のワースト記録です。
 事件急増を報じたオ・エスタード紙は、情報アクセス法を利用して警察の職務に関連したとされる783件のデータを入手していますが、これらすべてのケースが「警察による捜査中に起こった死亡事例」とされており、このうち一部が「休暇中の警察官による発砲」と変更されたとしています。