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日系医師が医療器具メーカーに提言

 JICA(国際協力機構)の招待で来日、大学病院、医療器具メーカーを視察中のブラジル日系6病院の医長や経営者など13人が23日、日系病院と日本側医療機関及び医療機器メーカーと連携を深めるための「日系病院との連携セミナー」(JICA主催)に出席しました。同セミナーでブラジル病院協会連合会理事でアマゾニア病院の生田勇治元病院長(形成外科医)が、ブラジル日系医師を代表して「日系医師は日本企業が製造している医療器具を使った診断などに精通しており、日本の企業はもっと積極的にブラジルへの医療器具売込みの営業活動を行ってほしい」と提言しました。
 同氏によると、ブラジルには15000人の日系医師がおり、この60%が県費、国費などで日本に留学(日系6病院だけでも1500人の日系医師がいる)し、その大半が日本で学んでいるため日本の医療器具に精通している。このためブラジルの日系医師は、日本製の医療器具を使用して診断をしたいと考えている。そのためにもっと積極的に売り込みをしてほしい、と語りました。
 これに対し企業からは「ブラジルの輸入規制が厳しく、思うように行かない」という意見出されました。生田氏は「ブラジルには160万人の日系人がおり、この人たちにより日本人に対する信頼感が醸成されている。この信頼感を土台としてブラジルは非常に親日的な国であり、日系人を通じて政治家を動かすなどの手段を考えるべきだ」と助言しました。
 生田氏は、日本の医療器具メーカーの弱点はアフターケア(メンテナンス)、営業力の弱さだと指摘します。この弱点を克服し売り込んでくれれば、日系医師は使い慣れた医療器具で治療できるため、大いに助かるとしています。