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奴隷労働数ランキングで世界143位

 地元メディアによると、国際的な非政府組織「ウオーク・フリー・ファウンデーション」の奴隷労働に関する今年度の年次報告書で、劣悪な環境下での労働を強いられている「現代の奴隷」は全世界で20.13%増加して3580万人に上っており、ブラジルは15万5300人が奴隷状態で働いているとしています。同組織によるグローバル奴隷労働指数を基にした各国の順位でブラジルは143位に位置づけられています。同指数は人身売買、強制労働、借金や婚姻に基づく労働の強要、性的搾取、児童搾取などを基に作成されています。
 ブラジルの昨年度の奴隷労働者は20万人で世界94位でしたが、今年度は奴隷労働者数が減少し若干の改善が見られます。ブラジルの刑法では、法律で定められた12時間を超える長時間労働や債務による強制労働、危険な環境下での労働などが奴隷労働されています。年次報告書によると、ブラジルのこうした労働形態は、農業と建設業で多く見られます。
 サンパウロ市など都市部では、裁縫工場で働くボリビア人労働者の劣悪な労働環境が問題とされています。報告書には「ブラジルに入国した10万人のボリビア移民の半数以上が不法入国であるため、国外追放の脅しなど弱みに付け込まれて搾取されている」と記述されています。