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北東部と北部で票伸ばしジルマ氏再選

 地元メディアによると、26日に行われた大統領選決選投票でジルマ大統領(労働者党=PT)が51.64%の得票率で再選を決めました。対抗馬のアエシオ・ネべス氏(ブラジル社会民主党=PSDB)の得票率は48.36%でした。ジルマ大統領の2期目は来年1月1日から4年間が任期です。
 ジルマ大統領は、ブラジルの大統領選史上最小差で当選しました。得票率を2010年の大統領選と比較すると、国内26州及び連邦直轄区の合計27地域のうち過半数の16州で低下していました。サンパウロ州ではジルマ氏が848万8383票を獲得したのに対し、ネべス氏は1529万6289票と圧倒的な差をつけていました。全有権者の44%が集中しているブラジル南東部における両氏の得票率はサンパウロ州での得票が影響し、ジルマ氏が47.3%(1986万7894票)、ネべス氏が52.7%(2547万265票)とネベス氏がジルマ氏を上回っています。
 4年前の大統領選の決選投票と比較すると、ジルマ氏の得票はセルジッペ州アクレ州ロライマ州など北東部と北部で飛躍的に伸びました。逆に連邦直轄区、サンパウロ州アマゾナス州サンタ・カタリーナ州で最大28%の票を失っていました。

最小差記録を更新

 今年の選挙の特徴は、決選投票に進んだ2候補間の得票差が非常に小さかったことです。ジルマ氏とネべス氏の差はわずか3.28ポイントしかありません。1955年にジュセリーノ・クビチェック元大統領がライバル候補のジュアレス・タボラ氏を5.41ポイント上回って当選した際の最小差記録を更新しています。ただ当時は決選投票制度がなく最初の投票での差で、決選投票に限って見ればこれまでの最小差は89年のフェルナンド・コロル元大統領とルーラ前大統領との6ポイント差が最小差記録でした。

変化と改革に意欲

 ブラジリアでルーラ前大統領、ミシェル・テメル副大統領らと共に再選の演説を行ったジルマ氏は「国民の口から最も多く発せられた言葉は『変化』で、最も広く議論されたテーマは『改革』だった」と述べ、2期目での変革に向け意欲を見せました。続けて「今の私はこれまで以上に強く冷静で、国民の皆さんから委任される仕事を遂行できるだけの成熟さを備えている。ブラジル人として、戦いから逃げないことを約束する」と当選の喜びを語りました。