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大統領選は決選投票へ

 地元メディアによると、5日行われた大統領選の1次投票で元ミナス・ジェライス州知事のアエシオ・ネべス氏(ブラジル社会民主党=PSDB)が大方の予想を上回る得票率33.55%を得て、同41.59%のジルマ大統領(労働者党=PT)との決選投票になりました。ジルマ大統領の対抗馬と見られていたブラジル社会党(PSB)から出馬したマリーナ・シルバ元環境相(レデ党=Rede)は得票率21.32%で大敗しました。マリーナ氏は、決選投票ではネべス氏支持への動きを見せています。
 現職のジルマ氏は貧困層からの根強い支持を受け、得票率トップで決選投票に臨みます。対抗馬のネベス氏は、終盤までの支持率調査で3位だったものの投票直前で巻き返しマリーナ氏を上回る票を得ました。
 マリーナ氏の支持者のうち知的職業の各分野で活躍する著名人を含むグループは5日夜のうちに160人以上の署名を集め、ネべス氏を支持する声明文を発表しました。歴史学者のボリス・ファウスト氏、経済学者のグスタボ・フランコ氏、外交官のルイス・ランプレイア氏などが署名しています。「変化を要求する我々はアエシオ・ネべス氏を支持する」の一文で始まる声明文は、「近年の汚職と政治の衰退に対する断固とした抗議」や「公共サービスの非効率性と歪みからの解放」などと強い語調で貫かれています。
 マリーナ氏の票がすべて決選投票でネべス氏に加算された場合、55%の支持率となってジルマ氏を破ることになりますが、マリーナ氏とネベス氏の政策には大きな相違があり、マリーナ氏の票がそのままネベス氏に流れそうにはありません。

ネベス氏サンパウロで高支持

 1次投票の結果を受けてジルマ陣営は6日、61%の得票率で国内最大の支持を得たバイア州サルバドール市へ飛び、有権者らに感謝の言葉を述べるとともに決選投票での変わらぬ支持を呼び掛けました。またネベス氏の得票率の約半分しか得票できなかったサンパウロ州でのキャンペーンにも力を入れる予定です。
 決選投票進出の一報を受けたネベス氏の第一声は、キャンペーン期間中の8月に飛行機事故で死亡した元ペルナンブコ州知事のエドアルド・カンポス氏(PSB)に対する敬意の言葉でした。マリーナ氏を直接名指ししなかったものの「全員の力を結集する時が来た。私の立候補は一政党からのものではない」と述べ、マリーナ氏の支持者らに対する支持を要請しました。今後も戦略としてジルマ政権への批判を続けるかという質問には、「私は憎悪を利用する戦略は使わない」と答えています。