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治安政策に対する有力候補の公約 

 「アジェンシア・ブラジル」(9月15〜25日付)の報道記事(ウェブ版)から、ブラジル国内の有権者が高い関心を寄せている治安政策に対する有力候補ジルマ氏(労働者党=PT)、マリーナ・シルバ氏(レデ党=Rede)、アエシオ・ネべス氏(ブラジル社会民主党=PSDB)3人の公約を紹介します。
 各候補ともにブラジル政府と各州政府と協力して実施する必要を強調しています。ジルマ氏は州境での監視強化を、PSBの大統領候補だった故エドアルド・カンポス氏の身代わりで出馬するマリーナ氏はカンポス氏が力を入れていた治安対策プログラムを全国へ拡大させるとし、ネべス氏は刑法の改正を訴えています。

ジルマ氏

 治安対策として各機関の統合の必要性を強調しています。「命令・監督統合センターを全国27州に設置し、全州の力を結集するべきだ。大陸国家であるブラジルは国境の治安対策と州境の治安対策を同時に行う必要がある」として、各州政府とブラジル政府による治安対策の統合の必要性を主張しています。

マリーナ氏

 マリーナ氏は「国家保安基金への増資と各州知事の協力の下で暴力事件の撲滅を目指す。ただし、治安専門の新たな省庁を発足させることは考えていない」としています。前ペルナンブコ州知事でもあったカンポス氏が施行し、警察の汚職軽減にも効果を見せたとされる治安プログラム「命のための契約(Pacto pela Vida)」の全国レベルでの実施と、それに合わせて警察機関が十分な訓練を受けられるような仕組みを作る必要性を訴えています。

ネベス氏

 ネベス氏は「10年以内にブラジル北東部での殺人件数を30%削減させる。また治安対策への投資、各州政府との協力体制、刑法の改正を目指す。重犯罪には16歳以上の少年も刑法にのっとって裁くことを可能とするために取り組む」と公約しています。薬物(ドラッグ)の違法取引の撲滅も目指し、「軍隊と連邦警察の協力体制で国境での取り締まりを強化する。ブラジルにドラッグを持ち込んでいる各国が麻薬生産への取り締まりを強化しない限り、国交のあり方を見直すことになる」としています。