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ブラジル熱気球世界大会で日本代表が優勝

 2014年ブラジル熱気球世界選手権大会が18〜26日、サンパウロ州リオ・クラーロ市で開催され、日本代表の藤田雄大選手(27、栃木)が同大会での日本人初優勝という快挙を果たしました。多くの日系人も世界最高峰の熱気球大会を盛り上げようとボランティアとして加わり、大会運営に一役買いました。
 2年に1度開催されている同大会は、今回が初めての南米大陸での開催でした。大会当日までの道のりは険しく、ずさんな大会運営を理由に現世界ランキング1位のニック・ドナー選手(米国)始め複数の選手が出場を辞退するなど、今年3月までは開催そのものが危ぶまれていました。それでも世界22カ国から58機が参加。日本からも5人のパイロットが出場し、熱戦を繰り広げることが出来ました。
 競技は、気球の飛行の正確さを競う、目標地点に向けて重りを投下し目標地点と重りがどれだけ近いかを競うものなど約20種類あります。当日の実施競技は、気候をもとに競技委員長が決定し、全競技終了後総合得点の高い選手が優勝になります。
 競技中は、地上での移動、気球の組み立てなどを行わなければならず、通常は1機につき4〜5人のチームが組まれます。日本の航空スポーツ史に残る偉業を成し遂げた藤田選手のチームには父昌彦さん(58、東京)、母さと子さん(58、東京)がメンバーに含まれていました。昌彦さんは「世界のフジタ」と称された日本競技気球の第一人者。藤田選手は幼い時から世界トップレベルの選手だった父を母と支えてきた競技仲間です。この両親に、熱気球競技に精通した現地の運転手と通訳が加わり、組み上がったのが今大会のチームで、藤田選手は優勝の要因を「良いメンバーに恵まれた」と、チーム一丸でつかんだ優勝と語っていました。