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W杯開幕で大統領の開会宣言なし

 地元メディアによると、サッカー・ワールドカップ(W杯)開幕日の12日、ブラジル国内の各都市でデモ隊と警察官の衝突が起こったほか、リオ市では外国人ジャーナリスト2人が負傷しました。開会式が行われたサンパウロ市イタケロン競技場に姿を見せ、VIP席に娘のパウラさんと並んで座ったジルマ大統領(労働者党=PT)は、W杯の30年間の伝統を破り開会宣言を行いませんでした。昨年のコンフェデレーションズカップコンフェデ杯)でブーイングを受けたことから安全対策を取っての決断だったと説明しています。
 工事の遅れが懸念されていたイタケロン競技場は一時停電などのハプニングが起きましたが、ブラジルがクロアチアを3―1で破り、開幕戦は無事に終了しました。開会式では、米女優で歌手のジェニファー・ロペスが大会公式ソングをブラジル人歌手のクラウジア・レイテや米国人ラッパーのピットブルらと共に熱唱しました。
 会場への入場整理や警備も滞りなく行われましたが、飲食物やインターネット回線へのアクセスが悪く不評でした。試合終了後には混雑から観客同士の間で押し合いとなり、観客全員が競技場を後にしたのはゲートが開いた1時間後でした。
 競技場に併設された多くのランショネッテ(軽食店)では前半終了前に既に食べ物が売り切れました。また来場していた車椅子の利用者らにとっては床に障害物が多く、移動の際に周囲の人々の助けを必要としなければなりませんでした。試合開始後には7分間、電力の供給が滞り照明2カ所が停電となるなど、日没前で試合に影響はなかったものの、先行きが心配される事態でした。