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W杯日本代表が公開練習

 12日に開幕するサッカーW杯ブラジル大会に出場する日本代表が8日、サンパウロ州ソロカバ市の市営スタジアムで公開練習を行いました。当日は5400人のファンやサポーターのほか、日本とブラジルのマスコミ関係者約100人が詰め掛けました。日本代表にとってブラジル到着後初練習となった同日は好天に恵まれ、選手たちは軽めのメニューで1時間強汗を流しました。スタジアムの外では15人ほどによるデモも行われましたが、選手が会場入りする前に警備陣に解散させられました。
 練習開始を前にサンパウロ日本人学校と平成学園(日本語学校)の生徒約300人が選手たちと記念撮影。子どもたちはユニホームや色紙にサインをもらい、「香川(真司、25、マンチェスター・ユナイテッド)、山口(蛍、23、セレッソ大阪)、吉田(麻也、25、サウザンプトン)に会えてうれしかった」と満面の笑みを浮かべていました。
 選手たちはストレッチ、長い距離のダッシュやボールを使って攻撃の連携確認、細かいパスやサイドチェンジでボールをつなぎシュートまで持っていく練習を繰り返しました。練習を終え引き上げる選手たちがスタンドにあいさつすると観客席は沸き立ち、本田圭佑選手には一際大きな歓声が送られました。
 在聖日本国総領事館の中山雄亮副領事は「ロシアがイツーのスタジアムを使用するため、日本の練習はソロカバに決まった。無事に公開練習を終え安心した」と話し、日本サッカー協会の平井徹氏も「ソロカバ市がピッチの整備に協力してくれた」と地元関係者に謝意を表しました。
 日本代表主将の長谷部誠氏は「今日は素晴らしい雰囲気だった。これまで、けがで別メニューだった自分や(酒井)高徳、また(帯同メンバーの)高校生2人(坂井大将選手、杉森考起選手)も合流して、全員でできたのがよかった」と同公開練習を振り返りコメントしました。

テレビ解説者も見守る

 公開練習は、テレビ解説者としてブラジル入りしている元日本代表選手も見守りました。
 ジュビロ磐田などで活躍し、今回が5度目のブラジル訪問だという藤田俊哉氏(42、静岡)は「メディア側の人間として代表を見ると新しい発見があり、自分 の幅が広がる。仲間たちから新しい刺激をもらえる」と述べ、公開練習について、「集中するために、自分たちだ けでできるに越したことはないけれど、写真撮影をした子どもたちやサポーター、スタッフの喜びはスポーツの大切な価値。良いことだと思いますね」と語りました。
 W杯日本人初得点者でもある「ゴン中山」こと中山雅史氏(46、静岡)は、3回目の訪問。日本代表敗退が決まるまで滞在するそうで、「では(決勝戦の)7月13日まで滞在ですか」という記者の質問に、語気強く「そうです、そうなんです」と話しました。今大会について中山氏は、「まずは初戦。それにかかっている。(同氏がコメンテーターを務める)テレビ朝日としては、(中継する)3戦目のコロンビア戦にいい形で入ってほしいですね」と笑顔を浮かべました。初戦については「コスタリカザンビアとの親善試合ではどちらも先に失点してしまった。それをどう修正するかが大事。あとはチーム全体が同じ目標に向かう気持ちを高めることです」と指摘しました。

日本代表選手のコメント

 遠藤保仁選手(34、ガンバ大阪)「(W杯は)ブラジルに住んでいる日系人、日本人の方と共に喜びを分かち合えたらいいなと思う」
 岡崎慎司選手(28、マインツ)「日本に来て代表のプレーを見る機会はほとんどないと思うので、このブラジルの地で興奮と喜びをもたらすことができれば」
 川島永嗣選手(31、スタンダール・リエージュ)「コンフェデ杯でも多くの方の声援をもらったが、今日もたくさんの方がスタジアムに来てくれてうれしい。ブラジル日系社会はいろいろな歴史があった思う。同じ日本人として誇りを見せたい」
 写真=香川選手らと記念撮影する子どもたち(サンパウロ新聞)