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ラ米初のクローンヤギ誕生 14/04/17 (10:14)

 地元メディアによると、ラテンアメリカ初の体細胞クローンヤギがセアラー州フォルタレーザ市で27日に誕生しました。クローン作成の目的は、遺伝性疾患であるゴーシェ病の治療に使われる酵素を含んだ乳を生み出すことにあります。
 ゴーシェ病の発症率は世界平均で人口6〜10万人につき1人の割合ですが、白人系ユダヤ人(アシュケナージ)では900〜1000人につき1人で、日本人の場合は推定で4〜6万人つき1人がこの病気にかかっています。
 治療に使われる「グルコセレブロシダーゼ」は人間の体内で自然に作り出され、細胞膜に含まれる糖脂質の分解を促進する酵素です。しかし遺伝子の変異で体内生産がされず不足すると、糖脂質が脳内にたまってけいれんや異常眼球運動といった神経症状が現れ、肝臓や脾臓に腫瘍が出来たり、貧血や骨痛などの症状が起きます。
 現在、遺伝子操作で作られた人参やハムスターから採取した細胞を実験室で培養し、その細胞から取り出した酵素で作った薬剤を注射して治療しています。
 ブラジル国内で600人以上もいる患者治療のため、薬剤輸入と治療費に統一医療保健制度は年間1憶8000万〜2億5000万レアルを使用しており、これが厚生省にとって悩みの種になっています。この解決のためクローンヤギの作成に取り組み自前でグルコセレブロシダーゼを作り出そうという試みです。