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デモ激化のベネズエラで反対派党首を逮捕

 地元メディアによると、ベネズエラニコラス・マドゥロ大統領が16日に米国大使館の職員3人に対して48時間以内の国外退去命令を出したことで、翌17日から首都カラカス市では国民が大統領支持派と反対勢力の支持派に分かれ抗議活動を行うなど緊迫した状況となりました。18日には反対勢力の野党党首で13日に指名手配されていたレオポルド・ロペス氏が公衆の面前で逮捕されたため、さらなる混乱を招くことになりました。同国のエリアス・ハウア外相は、米国ビザの交付を口実に国内の主要大学を訪れた在ベネズエラ米国大使館員らが大学生らを扇動し、反政府運動への参加を勧誘していると主張し国外退去を命じましたが、米国側はこの容疑を否認しています。
 最近になって急激に悪化したベネズエラの経済と治安に抗議する目的で、先週から反政府派の大学生が中心となって平和的に行われていた一連の抗議活動でしたが、夜には警察との衝突も見られるようになりました。ベネズエラでは最近の数カ月間で56%のインフレ率を記録したほか、スーパーなどでは食料品やトイレットペーパーが陳列棚から消えつつあります。
 先週のデモで12日には3人の死者が出ましたが、報道機関が公開した映像により少なくとも1人の反対派の学生の死亡原因が支持派の軍人による発泡だったことが明らかになったため、対立に火に油を注ぐ結果となりました。
 16日には政府の治安部隊が「民衆の意思党」本部で強制家宅捜索を行い、党員でカラカス市議のダリオ・ラミレス氏が大衆扇動の容疑で身柄を拘束されましたが、17日夜に反対派グループがラミレス氏を救出したとしています。