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日本代表試合開催都市の宿泊費が3〜5倍上昇

 6月から開催されるサッカー・ワールドカップ(W杯)で日本代表がグループリーグ(予選リーグ)で戦うレシフェペルナンブコ州)、ナタルリオ・グランデ・ド・ノルテ州)、クイアバマット・グロッソ州)各都市のホテル宿泊費が通常の3〜5倍値上がりし、レシフェは予約で満杯になっています。サンパウロ市内の日系旅行会社関係者によると、日本代表を応援するため来伯するサポーターなからの問い合わせが急増しているそうです。
 日本では6〜7月のW杯で訪伯する日本人観光客数は3000人から7000人と予想されています。観光客にとって最も関心のある情報は日本代表の試合が行われる各都市での宿泊先の状況。ウニベル・トラベル・サービスの栗木エリオ・サンパウロ支店長によると、6月14日のコートジボアール戦の会場となるレシフェ市のホテルは1月下旬で満杯になりました。
 栗木支店長は「レシフェは日本代表だけでなく、イタリアも(20日に)コスタリカ戦がある。イタリアをはじめ、ヨーロッパからのサッカー観戦客や観光客が予約しているため、今の段階でホテルを取ることは難しい。FIFA(国際サッカー連盟)が各地のホテルの50%を押さえ込んでいるが、3月上旬ごろになればリベイラ(押さえ込みを解除)し、少しは空きが出るかもしれません」と話しています。
 旅行社の中には、「運良く予約が取れてもホテルの宿泊料は通常の3〜5倍になっており、三つ星及び四つ星ホテルで1泊約1000レアル(約42000円)が相場になっている。料金だけでなく最低でも3日以上のパコッテ(パッケージ)予約が必要で、マラカナン球場があるリオ市内のホテルは場所によって30日のパコッテでないと宿泊させないところもある」とホテル業界の儲け主義を指摘しています。
 日本戦のある3都市を1月下旬から約1週間かけて状況視察を行ったアルファインテル南米交流サンパウロ事務所の中村アデマール専務取締役は、現地ホテル予約状況についての問い合わせメールが日本から毎日、来ている状態と話し、「これまでは日本のメディア関係者からの問い合わせが多かったが、今後は一般客からの問い合わせももっと多くなると思う。聞かれるのはホテルの予約状況や日本人ガイドを手配できるかなどだが、日本人ガイドはほとんど予約がいっぱいで英語のガイドを頼んでくる人もいる」と現状を説明。日本戦が行われる各都市の1日のホテル宿泊費はやはり、500〜1000レアルに高騰し、サンパウロ市のホテルを拠点に「試合開催都市へ日帰り」で応援する人もいます。日本戦が行われる都市によっては、クイアバナタル(4日付既報)のように地元日本人及び日系団体が情報提供など協力支援を予定しているところもあります。
 中村取締役がクイアバを訪問した時は、日系団体代表が「最悪の場合、日系会館にコルション(マット)を敷いて雑魚寝することも考えられなくはない。しかし、数千人にも及ぶサポーターが一挙に押し掛けられたら地元日系団体だけでは対応できず、トイレやシャワー、食事の問題などでパンクするかも」と懸念を語っていたそうです。