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気球を使ったインターネット接続テスト

 地元メディアによると、米グーグル社と米フェイスブック社はインターネットへの接続が困難なへき地でもインターネット利用を可能にするため、無線アンテナを搭載した気球を利用する共同プロジェクト「ルーン(Loon)」を進めています。ブラジル国内でも来年の早いうちにアマゾニア州で本格的なテストを行う予定です。この方法でのインターネット回線速度は第3世代移動通信システム(3G)回線とほぼ同じといわれます。
 同プロジェクトは既にニュージーランドで、今年6月から約30機の気球を打ち上げテストを行っており、ブラジルでもグーグル社によって14日、地面に固定した気球を使用した試験的なテストをカショエイラ・パウリスタ市で行いました。国立宇宙調査研究院は、ブラジル製の気球は最大50キロ圏内にデータ送信が可能な無線機が搭載されているとしています。パウロ・ベルナルド通信相は先月開かれたグーグル社との代表者会談後、「このプロジェクトは従来の技術ではカバーすることが難しかった地域や広範囲な地域でのインターネットアクセスを拡大するために大きく貢献するだろう」とコメントしています。
 国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)の推定によると、世界人口の61.2%に相当する43億人がインターネットの無い環境で生活しています。米グーグル社と米フェイスブック社はインターネット接続数拡大による収益増加を目的として、この共同プロジェクトを実施しています。