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サンパウロとリオで再びデモ

 地元メディアによると、7日にリオ市とサンパウロ市で行われた抗議デモが暴動に発展し、街中に大きな破壊のつめ跡を残しました。教師らの権利向上を求める抗議活動が先週から続いているリオ市のデモは、最初は平和的だったものの、覆面などを着用して銀行などの公共機関を襲撃するグループ「ブラック・ブロック」 の参加で破壊活動に発展しました。サンパウロ市でも学生と大学職員を中心とするグループにブラック・ブロックが加わって暴力行為に転じたため、軍警察が出動してデモ隊を鎮圧しました。
 リオ市内の軍警察本部周辺では覆面を着用した数十人のグループが警官隊に火炎瓶を投げ付け、軍隊クラブの玄関と1階に火が放たれ、近くでバスの車両が焼かれたほか、在ブラジル米国総領事館には石が投げ込まれました。カンデラリア教会での決起集会には警察隊の姿はなく平和的な抗議デモでしたが、その後ブラジル銀行イタウ銀行の支店が破壊され、デモの中心地となったシネランジア区の路上は炎に包まれました。
 リオ市役所付近では警官隊約40人が軍警察本部前で待機しましたが、シネランジア区には動員されなかったため破壊活動がエスカレートしたものです。フラメンゴ埋め立て地とラパ区方面に向かったブラック・ブロックのメンバーを中心とするデモ隊は、バスと軍隊クラブへの放火や米国総領事館への投石を行い、市内中心部のリオ・ブランコ大通りでは20人の覆面グループが銀行の現金自動預け払い機を始め商業施設を破壊しました。深夜には軍警察がラパ区で少なくとも30人の容疑者の身柄を拘束しました。軍警察ではリオ市でのデモ参加者数は約1万人だったと推測しています。
 一方、サンパウロ市ではレプブリカ公園に集合した学生と大学職員からなるグループにブラック・ブロックのメンバーが加わり、抗議デモが破壊行為に発展しました。午後6時ごろ、参加者の一部がデモ活動の中心となっていたパウリスタ大通りからレプブリカ公園の州教育委員会に向かい、同時に覆面グループがサンパウロ市立劇場から同じ方向に移動を開始したため事態が悪化しました。衝突が始まると学生と大学職員からなるデモ隊は解散しましたが、覆面グループは道路標識や商業施設、自動車などに対する破壊行為を続け、後を追った武装警官隊が威嚇弾を使用して制圧しました。