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南米初の自動車タイヤ工場完成=住友ゴム=

 「ダンロップ」のブランド名で知られる住友ゴム工業株式会社(本社・兵庫県神戸市、池田育嗣社長)のラテンアメリカ初となる自動車用タイヤ工場が、パラナ州の州都クリチバ市から35キロの地点に隣接するファゼンダ・リオ・グランデ(FRG)市に完成しました。同工場は同社としては海外で5番目の工場になります。
 同社はこれまで日本とタイからタイヤ製品をブラジルに輸入していましたが、新工場の完成でブラジル国内で製造販売を行うことになります。新工場は敷地面積50万平方メートル、工場建築面積は約8万5000平方メートル(458メートル×280メートル)を誇ります。工業用ロボットの多用やスペースの有効利用といった住友ゴム独自の工場運営技術で、現段階で日産2000本、2015年までに日産1万5000本の生産を目指します。投資額は7億5000万レアル、既に560人(うち日系人は80人)の従業員が就労中で、17年までに従業員を1500人に増員する予定です。
 生産されるタイヤはトラック用から小型乗用車用までの17種類。日本の基準に加えブラジルの悪路を想定して耐久性をアップした製品を供給するとしています。
 ブラジルのタイヤ市場は昨年世界第4位の自動車販売数で国内需要は急激に伸びています。業界はタイヤメーカー10社がしのぎを削っており混戦状態にあります。現在はイタリア系ピレリーと日系ブリジストン(ファイヤーストーン)が横綱的な存在です。こうした混戦に参入する住友ゴムは、2020年までに市場占有率10%の業界6位を目指すとしています。同社には、20年後までにブラジルのタイヤ・シェア勢力図を大きく塗り替えることができるかどうか、注目が集まっています。