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高校入試問題にブラジル移民の俳句を採用

 ブラジル熟年クラブ連合会(熟連、五十嵐司会長)が発行する機関紙「ブラジル老壮の友」に掲載された故・玉置四十華さんの俳句が、今年2月、日本の国立高校が実施した入学試験の問題の一部に採用されました。採用したのは全国屈指の名門校筑波大学附属筑波高等学校です。今年3月末、日本の複数の出版社が同校の入試問題集を出版するにあたり、熟連事務局に掲載許可を求めてきたことで分かりました。玉置さんは今年2月に亡くなりました。
 採用された俳句は、2009年1月号の文芸欄に掲載された「リベイラ富士 はっきり見えし 夕立晴」という一句。同句は、ブラジルの日系社会に関する設問に関連して掲載されています。問題文には「リベイラ富士は、ブラジルのサンパウロ州にある低山で、日系人が望郷の思いから名付けたものである」というリベイラ富士についての説明と、同句が熟連のウェブサイト上に掲載されていたものであるとの説明が添えられています。
 玉置さんは、サンパウロ州レジストロ市の第5部(ラポーザ地区)で生まれ育ち、「レジストロ茶の花句会」に所属していました。同市在住の兄・小野一生さん(85)によると、玉置さんは末っ子らしくおとなしい人物で、俳句をたしなんでいた姉の勧めで10年ほど前から俳句を詠み始めたそうです。
 小野さんは、「連絡を受けた時は驚いたが、亡くなった妹への供養にもなり、妹もきっと喜んでいることと思う。私たちに毎晩厳しく日本語を教えてくれた父に、今となっては大変感謝している」と話しています。