地元メディアによると、サンパウロ市内で行われていたバス運賃の値上げに反対する抗議デモが17日になって、サンパウロ市だけでなくリオ市やベロ・オリゾンテ市(ミナス・ジェライス州)、首都ブラジリアなど国内の主要都市に飛び火しました。抗議デモには、ブラジル国内全域で約23万人が集まり、フェルナンド・コロール元大統領が弾刻された92年以来、最も規模の大きい抗議デモになっています。
今回の抗議デモは、以前から争点となっていたバス運賃の値上げ問題以外にも、2014年サッカー・ワールドカップ(W杯)開催に向けた公金の無駄遣いや政界の汚職、警察の暴力など、多くの日常的な不満に対して向けられ始めており、一般人の市民の姿も目立ちました。
サンパウロ市
サンパウロ市内で行われたデモはピニェイロス区のラルゴ・ダ・バタタをスタート地点とし、ビジネス街、高級住宅街など市内各地を行進しました。デモ参加者の一部がサンパウロ州知事官邸(バンデイランテス宮)に突入しようとした際には軍警察と衝突しましたが、今回のデモはおおむね平和的な形で進められました。サンパウロ市内全域で、約6万5000人が抗議デモに参加したとされています。
リオデジャネイロ市
リオ市でも、デモ参加者の一部がリオ州議会への突入を試みて軍警察との衝突に発展しました。デモ隊は州議会の治安維持活動を行っていた軍警察に石や火炎瓶を投げつけました。デモ参加者らは軍警察がデモ隊制圧にゴム弾ではなく実弾を使用していたと主張しています。
参加者は軍警との衝突だけでなく、車両への放火や公共施設の破壊行為など暴力行為も行っています。リオ市でのデモ参加者は約10万人に上りました。
首都ブラジリア
ブラジリアの抗議デモには1万人しか参加しました。デモ隊は国会議事堂の敷地内に侵入し、建物によじ登って「国会は我々のものだ」などと訴えました。