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レイプ容疑で牧師逮捕、麻薬密売疑惑も

 地元での報道によると、リオ州を拠点とするキリスト教の私設教団「最後の日集会(Assembleia de Deus dos Ultimos Dias)」のマルコス・ペレイラ(56)牧師が7日、女性信者6人に性的暴行を加えた容疑で市民警察に逮捕されました。同牧師は殺人罪マネーロンダリング資金洗浄)罪のほか、麻薬密売組織に関与していた疑いももたれています。
「最後の日集会」の最高指導者を務めるペレイラ牧師は1990年代以降、リオ市の刑務所を訪問して犯罪者の社会復帰支援事業に携わり、高い評価を受けてきた人です。それだけに今回の逮捕に疑問を持つ人もいますが、捜査を担当している麻薬取締警察のマルシオメンドンサ氏は、「容疑者を訴える30件の証言を集めたほか、信頼性の高い証拠も入手した」と自信をーのぞかせています。
 これまでの調べによると、ペレイラ牧師は女性信者に対して「悪霊にとりつかれているから汚れた体を癒す」と説明、人間の精神的な弱さにつけ込んで性的暴行を繰り返していたとしています。ペレイラ牧師が住んでいるリオ市コパカバーナ区の高級マンションとバイシャーダ・フルミネンセ区内の教会が犯行現場とみられます。
 事件が明るみに出たのは、非営利団体(NPO)アフロレゲエのジョゼ・ジュニオール氏が昨年、ペレイラ牧師が麻薬密売組織「コマンド・ベルメーリョ」に協力しているという訴えを起こしたことです。この訴えで麻薬取締警察は、教会を通じて麻薬密売の資金をマネーロンダリングしている可能性があるとして捜査を進めてきました。
 ジョゼ氏は、リオ市で2006〜10年の間に発生したバスや警察署に対する発砲事件にもペレイラ牧師が関与していたと証言しています。「ペレイラ牧師はリオ市内で最大の犯罪者だ」とコメントを締めくくりました。