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ブラジルは米国の3倍=拳銃による殺人事件=

 地元メディアによると、厚生省が公表した国連薬物犯罪事務所のデータで、国内で流通している拳銃の数は米国より少ないものの、拳銃による殺人事件の件数は米国の3倍以上も多いことが分かりました。ブラジルの2010年の拳銃による死亡者数は3万6000人で、米国の9960人よりも3.7倍になります。米国の拳銃による死亡率が人口10万人当たり3.2人であるのに対し、ブラジルでは同19.3人に上っています。
 米国では拳銃を所持する権利が憲法により定められているため、拳銃の購入はブラジルより容易で、州によっては登録または許可を得なくても購入することが可能です。しかし、コネティカット州の小学校で今月14日に起きた銃乱射事件を機に、拳銃所持の是非が再び争点となってきました。ブラジルでは登録が必要で前歴の調査を経て拳銃の所持が許可されていますが、特別な場合を除いて拳銃の携帯は禁止されています。
 拳銃事件に詳しい人の話では、ブラジルと米国では殺人の質が異なると語り、「米国では正当防衛のために拳銃の使用を容認する文化があるが、ブラジルでは夫婦間、隣人間、バールなどでの顧客同士のけんかの最も早い解決方法として拳銃が使用され殺人に発展することがある」と指摘しています。