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心停止患者への脳低体温療法導入進む

 地元メディアに、ブラジルでは一般化されていない新療法「脳低体温療法(心停止後に蘇生した患者の脳障害リスクを減少させるため体温を低く保つ治療法)」を受けた患者に関する記事が掲載され、ブラジルでも同療法の導入が進められていることが分かりました。記事によると、同療法を受けたのは弁護士のグラウコ・レイスさん(39)で、今年6月、自宅で20分間の心停止に陥ったさいに心臓マッサージや自動体外式除細動器で電気ショックを与えられ心拍を回復しましたが、低酸素による脳の損傷を最小限に抑えるため脳低体温療法が行われたものです。
 同療法は米国では積極的に実施されていますが、ブラジルではアルバート・アインシュタイン病院やクリニカス病院心臓研究所、心臓病院などで脳低体温治療に関する決まりが規定書に加えられたばかりで、医療として確立したものではありません。心停止した患者は通常、60〜90%の確率で死に至るといわれ、心臓マッサージや電気ショックにより奇跡的に蘇生したとしても、そのうち80%の患者は脳障害の後遺症を伴うといわれます。しかし、脳低体温療法を用いると後遺症を伴わずに生存できる可能性が75%に上昇し、被害を最小限に抑えることができるというデータもあります。
 現在、脳低体温療法の成功率は決して高いわけではなく、クリニカス病院心臓研究所で過去2年間に同療法を受けた患者8人のうち生存者は2人のみで、レイス氏もその一人に過ぎません。クリニカス病院心臓研究所に運ばれたレイス氏は冷却した静脈点滴を24時間にわたって受け、体温が30度を下回らないように保温効果の高い衣服を着用しています。こうした状況の中でも医師たちは、脳低体温療法が最善の治療法だとしており、クリニカス病院心臓研究所は同療法の普及に向けて心筋梗塞の場合についての研究も進めています。タンクレード・ネベス元大統領の治療にも脳低体温療法が用いられました。