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ホエールウォッチングの時期到来

 地元での報道によると、ブラジル南部サンタ・カタリーナ州インビツーバ市のローザ海岸沖で希少なセミクジラ(baleia franca)ウォッチングが最盛期を迎えています。えさを求めて南極海を離れたセミクジラが、7月から出産と子育てのためサンタ・カタリーナ州内の海岸に現れるようになったのです。
 セミクジラ研究所の生物学者らが同州で実施した上空からの調査では、103頭の存在が確認されています。確認頭数は年々増加傾向にあります。東北ブラジル地方の海岸に現れるザトウクジラはセミクジラとは比較にならないほど多く、昨年は1万1000頭も現れました。
 セミクジラは雄が体長15メートル、体重45トンであるのに対し、雌は体長18メートル、体重60トンにもなります。ブラジルではセミクジラの出産に必要な場所を確保するため、2000年にサンタ・カタリーナ州フローリアノポリス市からリオグランデ・ド・スル州の境界線までの全長130キロの海岸線を環境保全地域に指定しています。
 現在はインビツーバ市近隣のガロパバ市の旅行会社2社が、ホエールウォッチングツアーを開催。セミクジラは海岸近くを泳ぐ習性があるため、日光浴を楽しんでいる姿や尾で海面上を打つ光景などを目にすることができます。