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集団強盗の38%は警察署付近で発生

 地元メディアによると、サンパウロ市内で今年発生した集団強盗事件29件のうち、38%に当たる11件が警察署から500メートル以内の地点で発生し、最大でも警察署または派出所から4区画以内で起こっていたことが明らかになりました。サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区で今月9日に襲われた建物や今年2〜6月に集団強盗の被害に遭ったイジエノーポリス区のレストラン2軒、マンション2棟のいずれもが警察施設から近い場所でした。イジエノーポリス地区を管轄する軍警察のジョゼ・ルイス中佐は、警察施設の付近で事件が多発しているのは単なる偶然としています。
 現在、集団強盗の形態は大きく分けて2種類に分類されます。一つは主にマンションを狙うグループで、いわゆる「プロ」と思われます。マンションの元従業員などの協力を得ながら十分な準備と武装をして襲撃するケースが多く、過去に銀行や宝石店、現金輸送車などを襲撃してきた強盗団が近年になってマンションを狙うようになったと見られています。
 もう一つは、レストランなどを襲うグループで、こちらは「アマチュア」集団と思われます。グループのメンバーは年齢が低く、犯行に関する計画性があまり見られないのが特徴です。
 集団強盗事件の多発を受けサンパウロ州のジェラルド・アルキミン知事は、「恋人の日」(Dia dos Namorados、6月12日、日本のバレンタインデーのようなもの)を前に軍警察に対し飲食店街の警備強化と警官の増員を指示していました。