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東洋街の象徴「明石屋宝石店」が閉店

 サンパウロ市リベルダーデのガルボン・ブエノ街(通称東洋街)で40年にわたって営業してきた「明石屋宝石店」(尾西貞夫社長)が8日で閉店します。今後は同所で尾西社長は新たに資金を導入、経営陣に人も加え、新規事業を展開していく予定です。これで日系社会の象徴でもあった店舗が一つ消えることになりました。
 同商店の最盛期は1970年代後半から80年代後半にかけて。日本からの観光客をはじめ、商社など日本企業駐在員らがブラジルの土産物を大挙して購入。各種宝石類が飛ぶように売れたそうです。この間、店頭に大相撲の番付表を張り出したり、移住者の相談にも気軽に乗り、日系社会でも頼りにされてきました。「サンパウロで困ったことがあれば明石屋に行け」と言われたほどで、尾西社長の人柄が日系社会のみならず、観光でブラジルを訪れる日本人たちのよき道先案内人でもありました。
 尾西社長は、移民60周年記念祭が行われた年である1968年4月12日サントス港着の「あるぜんちな丸」で移住。「ブラジルで商売をしたい」と1971年、サンパウロ市の中心に共同経営で宝石店を開店。その後、独立して1974年に現在の東洋街に兵庫県の出身地にちなんだ「明石屋宝石店」を開店しました。
 同社長は新たな事業展開の準備のかたわら、日本ブラジル援護協会(サンパウロ市)の副会長として、日系人、日本人の医療・福祉活動にも取り組んでいます。