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未婚女性より既婚女性が高所得傾向

 地元メディアが教育調査研究所の調査として報じたところによると、国内で資格を持ち専門分野で働く既婚女性の所得は、未婚女性よりも平均19.8%高いことが分かりました。娘を養育しつつ専門看護技師として働くジュリアナ・ダ・シルバさん(28)は4か月前に給与面での待遇向上を理由に転職しました。以前の職場での月給は1300レアル(約55000円)でしたが、職場を移ったところ同じ仕事で給与が2200レアル(約92000円)にアップしました。彼女は「未婚女性のほうが仕事に割ける時間が多いので給与も高いと思っていた」と驚いていました。
 教育調査研究所のレジナ・マダローゾ研究員によると、米国では未婚女性が優遇されており、平均所得は既婚女性よりも34%も高いといわれます。理由は、米国で専門資格が求められる業種で女性が認められるには、ブラジルよりもさらに多くの能力が要求されるからです。未婚女性は仕事に多くの時間を費やすことが可能で、出張などもこなせるあり、未婚女性への評価が高くなっています。
 ブラジルで既婚女性の評価が高いのは、マダローゾ研究員によると「既婚者の従業員のほうが責任感があると考えている雇用主が多いため」と説明しています。このほか、既婚女性は夫の収入があるため、好条件の仕事が見つかるまで十分な時間をかけて探せる、という事情もあるようです。マダローゾ研究員は「ブラジル市場が成長して女性の職場進出が始まれば、米国の状況に近づくだろう」と予想しています。