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「日本製の醤油がない」 11/07/01

 「日本食品店に日本製の醤油を買いに行ったんだけど、どこにもないの。困ったわ」と主婦の嘆く声を聞くようになりました。サンパウロ市内の東洋街で日本食品を取り扱っている商店を回ると、確かに日本製の醤油が棚から消えています。福島第一原子力発電所放射能漏れ事故直後から日本食品のブラジルへの輸入が一時的にストップするのではないかと心配されていましたが、その心配が現実のものとなっているようです。
 1か月ほど前から日本製の小麦粉やてんぷら粉が姿を消し、今度は醤油が消えました。大手醤油メーカー、キッコーマンのブラジル駐在員事務所の森和哉所長は、「確かに、醤油は市場から消えています。我が社は、日本以外の海外でも醤油を生産しているので、シンガポール工場から輸入しているのですが、数量が足りず、品不足の状態が続いています」と説明します。
 醤油が店頭から消えた背景には味にこだわる日本食レストランの買い占めも影響しているようです。キッコーマンが輸入したシンガポール製の醤油も、醤油を大量消費する日本食レストランへ卸すのが精一杯で、消費者にまで行き届かないようです。

福島第一原発事故の影響

 ブラジル政府は、3月11日に発生した東日本大震災、大津波の影響で福島第一原子力発電所放射能漏れを起こしたことから、4月11日に国家サニタリー監督庁が、1都11県(東京、福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、千葉)で製造された食品の輸入規制を決めました。
 ジェトロサンパウロ事務所によると、この輸入規制はブラジルだけでなく世界各国で実施されており、輸出業者は日本で放射能検査を行った上で海外 に輸出しています。ところが、ブラジルの場合は放射能検査だけではなく、日本の公的機関の安全証明書がなければ輸入許可を出さない方針を貫いています。日 本側では当初民間の検査機関の証明書しかなかったため、輸出業者はブラジル向け輸出を手控えざるを得ませんでした。

輸入条件でブラジル政府が譲歩

 その後、県の農林水産部署が証明書を発給するようになりましたが、証明書が英文しかなく、国家サニタリー監督庁が要求するポルトガル語の証明書が発給できないため、輸出は暗礁に乗り上げたままになっていました。この問題を解決するため、在ブラジル日本大使館がブラジル政府と交渉した結果、英文の証明書を認める代わり、輸入業者がポルトガル語の翻訳証明書を添付す るればよいというところまで譲歩しました。現在、ポルトガル語の翻訳者のサイン登録を行っている段階で、これが済んでから、日本から日本食品の輸出が再開されることになります。