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日本人が生産する珍味「フェイジョア」

 リンゴ栽培で有名なサンタ・カタリーナ州に住む大谷周さん(71)が、ブラジルでもあまり知られていないフルーツ「フェイジョア」を25年前から栽培を始め、昨年ようやく4トンの果実を市場に出荷しました。ブラジルでも栽培実績のない果物で、試行錯誤を重ねながら栽培でした。大谷さんは今後、フェイジョアの生産農家を増やし、市場に出していきたいと張り切っています。「まだ消費者に知られていない果物のため消費量が限られている。これからは販路の開拓が大変だ」と、大谷さんの苦闘はまだまだ続くようです。
 「フェイジョア」は気温が低い南部の州のサンタ・カタリーナ州などに自生しています。果実の大きさは縦が直径約7〜8センチ、横が約5センチほどのラグビーボールに似た形をしています。色は濃い緑色で、包丁で切ると内側にはクリーム色をした実が入っています。実の中心部分にはゼリー状の部分があり、ここが最も甘く、味はキウイに似ています。中心部を囲む外側部分は歯ごたえがあり、ゴイアバに似た味です。一つのフルーツで様々な味が楽しめるわけです。
 果実が日持ちしないという理由から、ブラジルでは積極的に栽培されてきませんでした。そのため、ブラジル人でも口にしたことや名を知る人はほとんどいません。
 現在、ブラジルでフェイジョアを手にすることができるのはサンジョアキン農協を通じて流通する同市周辺の市場と、リオグランデ・ド・スル州の一部の市場に限られています。わずかながらサンパウロ市、クリチーバ市(パラナ州州都)やフロリアノポリス市(サンタ・カタリーナ州州都)の市場にも送られてはいますが、見本程度の数量で広く流通するほどの量ではありません。
 大谷さんがフェイジョアを栽培しようと思い立ったのは1985年、隣人の牧場主からフェイジョアの果実をもらい食べてみたところ、大変甘くておいしかったことから、自分で栽培に挑戦したそうです。栽培を開始するにあたり86年〜87年に素性の良い木を探し、実生苗を育成。90年に1200本(1.5ヘクタール)を定植。その後、10年以上にわたりサンタ・カタリーナ州試験場と合同で新品種の開発などを行ってきました。栽培例がないためハエなどの害虫に手を焼きながら、一つひとつ経験して覚えていったといいます。大谷さんは「どこにでも見られる樹なので、栽培は簡単なものと考えて始めましたが、今ではりんごを作るよりも難しいと思っています」と苦闘の一端を語りました。(写真はサンパウロ新聞提供)