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フォルクスワーゲン工場(パラナ州)でストライキ

 地元紙によると、サンパウロ州の南隣州であるパラナ州フォルクスワーゲン工場でストライキ解決の目途が立たず、発生から1か月が経過しました。フォルクスワーゲンのストは、同州で起きた自動車のストとしては最長期間になります。同ストの原因は、ボーナス額が折り合わないためです。経営側は4600レアルのボーナスを提示し、従業員は6千レアルを要求しています。
 このままストが解決しなければ、1日当たり800台の車両生産ストップが続くことになり、各販売店は販売車両不足に陥ると早期解決を訴えています。現在、スト期間中の累計で約1万7千台の減産になります。経済学者は、ストが販売に影響を与え、フォルクスワーゲンの市場競争力が低下しかねないと警告しています。特にパラナ工場では、ブラジルで唯一フォックスを生産しており、同車はフォルクスワーゲンで販売2位を誇っています。
 フォルクスワーゲン代理店のブラジル協会によると、販売ストックは10日分はあるものの、一部の州では在庫不足が出始めていると言います。ポルト・アレグレ(最南部のリオグランデ・ド・スル州州都)代理店のフーゴ・ピント・リベイロ店長は「在庫は最悪の状況。特に先月は在庫なしのまま終わった」と語っています
 同ストは、組合側は、フォルクスワーゲンがボーナスをアップさせないように策略を練っていると疑心暗鬼になり、フォルクス側は、組合要求のボーナス額は企業の経営体質を弱体化させると主張しています。問題は労働裁判に持ち込まれましたが、判決までには日数を要するため、判決前にストを解決しなければ、深刻な事態になりかねません。そのためには両者の歩み寄りが必要ですが、両者の主張の差は大きく、妥結までには道遠しのようです。