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日本は中国に傾きすぎ、日伯関係の強化が必要

 訪伯中の竹中元総務大臣が8日、ブラジル日本商工会議所(中山立夫会頭)の懇親昼食会で、「世界における日本とアジア経済の役割」について講演を行いました。講演では、ブラジルとの関係をさらに深めることが、低迷が続く日本経済にとって必要なことであるとの考えを述べました。
 竹中氏は、中国のGDP(国内総生産)は8年後には日本の2倍になり、かなり早い時期に米国を越えると予想される。ただ中国は、長年「一人っ子政策」を実施しているため、数年後には生産者人口が減少し始め、2015年には経済成長に翳(かげ)りが見え始めるとし、「だからこそ日本は、ブラジルとの関係をもっと深めなければならない」と強調しました。
 竹中氏は、異常ともいえるドル安円高に触れ、「政治不安があれば通常、通貨は下落するが、1年間で3人も首相が代わっている日本の通貨が上がっている原因はデフレである」とし、菅直人首相率いる日本政府が9月に行った為替介入については「デフレ対策無しに介入しても効果はない」と切り捨てました。さらに昨年9月の民主党政権発足後に廃止された経済政策の司令塔「経済財政諮問会議」を復活させるべきであると述べ、世界一高いと言われる法人税率を下げるなどの政治決断をすれば日本経済も復興する、との持論を展開しました。