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サンパウロ市のずさんな都市計画

 地元紙の報道によると、サンパウロ市は過去5年間に、紙面上の計画に7380万レアルの予算を投入していたことが分かりました。この金額は30カ所の保育所、または市立小学校23校分の建設費用に相当します。

紙面上の計画に7380万レアル 33案件は無期限延長に

 2005年からジョゼ・セーラ知事(PSDB党)とジルベルト・カサビ市長(DEM党)との共同計画により提出された計画書は、市内交差点などのトンネル工事、小公園の設置、陸橋、近郊のロータリーの建設など70件に上っています。その見積もり総額の47.1%に当たる33件の計画が無期限延期になっています。これまでに計画しただけなのに、05年1月から今年8月までに合計1億3950万レアルも投入されています。
 サンパウロ市では、これらの案件は長期的に計画されたプロジェクトであり、次期政権でも大いに活用できると主張しています。しかし市議会の財政委員会では、本件は裁判所命令で禁止されたり、州議会決議で変更されたりする可能性もあり、今後の雇用問題なども含めて様々な方面からの非難もあるだろうと指摘しています。
 今年4月には市の財務審議会から入札契約に関する疑惑が持ち上げられたため、見積30億レアル相当の工事が差し止められているのですが、計画立案だけですでに1200万レアルを費やしていました。
 市役所土木課や市長補佐官の話によると、市内各地の土木工事計画は連邦政府の示すPAC(国土開発促進プログラム)の助成金を活用する意味でも、州政府の助成とあわせて市内都市開発プロジェクトを推進する予定だった語り、「5年間で歳出した1億3950万レアルは総工費のわずか4%で、市の財政上にはあまり影響していない」と弁明しています。