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宿泊客ら35人を人質に麻薬組織がホテルに立てこもり

21日、リオ市南部イパネマ海岸のインターコンチネンタルホテル近くで、武装した麻薬組織50人近くと警察官の間で銃撃戦が行われ、40分間にわたる激しい撃ち合いの末、逃走したグループの一部がインターコンチネンタルホテル内に逃げ込み、朝食ルームにいた従業員や宿泊客ら35人を人質に立てこもる事件が起きました。人質は2時間後に無事解放され、警察は容疑者10人の身柄を確保しました。市民は、外国人客も多い高級ホテルで起きた事件に衝撃を受けています。
 武装グループは、ホテルや高級住宅街のすぐ隣にあるリオ最大のスラム街(ファベーラ・ロッシーニャ)の麻薬組織「アミーゴ・ドス・アミーゴス」で、当局が最重要指名手配しているボスの「ネン」もこの中にいたと見られています。
 銃撃戦は、車両10台とオートバイで60人程度が移動しているのを見た巡回中の軍警察官が、特別部隊の出動を要請し、特別部隊が駆けつけて始まりました。武装グループのほとんどがファベーラ方面に走って逃げましたが、一部のグループが近くの高級住宅地内のマンションやインターコンチネンタルホテルに逃げ込み、人質を捕り抵抗したものです。

W杯、五輪時の治安の不安高まる

 1泊230〜430レアルもする五つ星のインターコンチネンタルホテルはこの日、翌日の「第14回リオ国際ハーフマラソン」に出走する宿泊客らで満室。800人のうち4割が外国人客で、当日は1500人が参加する歯科学会も予定されていました。 
 静かな朝を打ち破るかのように、武装した10人が正面玄関から乗り込み、朝食ルームにいた外国人宿泊客5人を含む35人を人質にとる出来事にホテルは騒然。従業員や警察の誘導で泣きながら避難する人や16階の高さから飛び降りて逃げようとする宿泊客も出てパニックとなりました。
 犯行グループは2時間後に投降し、人質は全員無事開放されたものの、同日夜の予約キャンセルは73件に上り、ホテル支配人は「事件は宿泊客らに恐怖を植えつけ、ホテルとリオのイメージを大きく損なった」と激怒していました。
 重装備の武装警官らがホテルを取り囲んだ物々しい様子は、各国メディアでも放映されました。外国人宿泊客が多く、世界フォーラムも開かれるような一流ホテルで起きた事件という伝え方で、W杯と五輪の治安に懸念を見せていました。
 銃撃戦では、流れ弾で犯行グループの女性1人が死亡、警察官5人が軽傷を負いました。付近の住民らは手榴弾が爆発するような音も聞いたと不安な表情で、「戦争のようだった」などと、事件の様子を振り返っていました。ホテルで逮捕された10人は、16〜32歳の男で9人が前科持ち。近くでは2004年にも銃撃戦が起きています。