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「社会保障協定」が前進

 フォーリャ・デ・サンパウロ紙の報道におると、日本・ブラジル両政府が2004年から進めている、老齢年金に互換制を持たす社会保障協定の締結交渉が大詰めを迎えています。在日ブラジル大使館職員によれば、協議は最終段階に入っており、8月1日にも詳細が発表される見通しといいます。実現すれば、元デカセギたちが日本で掛けた国民年金をブラジルに移行できるようになります。
 日本では、老齢年金受給には最低25年間の納付期間が必要で、保障協定がない現在、日系ブラジル人が帰国する際は「脱退一時金」という形で返金されるものの、支給額は掛け金の25〜75%に留まります。このため在日ブラジル人労働者からは、「帰国すれば掛け金が無駄になる」と敬遠されがちでした。しかも「掛け金の高さ」ということもあり、在日ブラジル人の4割までが未納でした。
 協定が締結されれば、日本・ブラジル間で納付期間を通算できるようになり、政府にとっては納付率の向上、納付者にとっては二重加入の必要がなくなります。ブラジルは現在、米国を含む10か国と、日本は欧米諸国など10か国と協定があり、ブラジル以外の北欧諸国とも交渉準備を進めているところです。

元デカセギに老後保障を

 日本・ブラジル間協定の草案をみると、年金の移行は「一時脱退金申請者は適用外」などの条件がつくものの、ブラジル帰国後はブラジルの規定に沿って年金を受給でき、35年納付というブラジルの受給規定を満たすため、帰国後8年間の納付も認められます。これでデカセギ就労者が帰国しても老後の保証が得られることになります。6年前から日本の社会保険庁と交渉しているブラジル社会福祉省によれば、協議は大詰め段階。同省は覚書の取り交わしから施行までの期間を1年あまりと見ており、早ければ数年内に実現しそうです。
 日本に2年半滞在し、「もっといたかったけどブラジルの年金がもらえなくなるから」と帰国した山本フェルナンダさん(25)は、協定のない現状の例として、「私の母は日本で働いている叔父のために、ブラジルの年金を15年も払い続けてあげているんです」と話していました。