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大統領候補出揃う ジルマ、セーラ、マリーナ

 10日から12日にかけて行われた各政党の全国大会で、10月の大統領選候補者の正式立候補表明が行われました。緑の党(PV)からマリーナ・シルバ氏、ブラジル民主社会党(PSDB)からジョゼ・セーラ氏、労働者党(PT)からジルマ・ロウセフ氏が出馬を表明、3候補は今後4か月近くにわたり、熱い選挙戦を繰り広げることになります。

週末の党大会で決意表明

 3候補の中で最初に立候補表明をしたマリーナ氏は、「国民はPT党とPSDB党の二極対立を望んでいない」と、両党に宣戦布告しました。PT党に25年間所属していた同氏は、ルーラ政権下で環境大臣を務め、環境問題に全力で取り組みましたが、経済成長に重きを置く政府と意見が対立し辞任、PV党に移籍しました。同氏は、「PT党の元同志たちとは決選投票で逢えることを楽しみにしている」と述べ、「ブラジル初となる黒人の女性大統領になりたい」と意欲を示しました。
 PSDB党は、セーラ氏を正式に大統領候補に決めました。同氏は「45」と書かれたW杯ブラジル・チームのユニホーム姿で現れ、「国会はメンサロンや票の売買を行う場となってはならない」と現政権を批判。最大の対立候補であるジルマ氏とは経験において雲泥の差があると強調しました。教育と健康など福祉面の充実を公約に掲げたセーラ氏は、工業専門学生の100万人増員や生活扶助制度(ボルサ・ファミリア)の改善、外来治療専門所の全伯150か所設置などの具体策も挙げました。
 PT党のジルマ氏は、ルーラ大統領の後継者という立場であり、現政権の政策を踏襲することになります。同氏は「女性版ルーラ政権」を実現すると語りました。同氏はセーラ氏との一騎打ちが予想される選挙戦について、「裕福層と貧困層の戦いだ」と述べ、経済格差への挑戦という方針を前面に出し、支持基盤の労働者階級を固める方針です。