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電気自動車の開発見送り

 地球に優しい次世代カーとして注目を集める電気自動車の国内開発計画が延期されました。今年5月末にも開発計画の概要が発表されることになっていましたが、「100%電力」か「バイオ燃料とのハイブリッド」とするかで意見が分かれ、ルーラ大統領が開発計画の見送りを決めたものです。
 車載電池を動力源とし電動機(電動モーター)を駆動して走行する電気自動車は、日本では三菱自動車ニッサンなどが開発を進め、既に販売しています。ブラジル国内ではイタリア・フィアットのブラジル法人が意欲的で、全国自動車工業会も技術開発に十分な自信を示していました。
 科学技術省と開発・工業・貿易省、財務省も今年、バッテリー研究開発などに1千万レアルの予算を計上していますが、政府方針が決まらないため国庫に返納になりそうです。
 バイオ燃料とガソリンのどちらも使用できるフレックス車が普及しているブラジルは、エタノール業界との兼ね合いもあり、今後10〜15年間は世界の動向を見守ることにし、独自技術による電気自動車開発は当分見送られることになるようです。