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サンパウロ市の乗り入れ規制効果なし

 サンパウロ市の車両ロジージオ(乗り入れ規制)が12年で効果が無くなりました。ナンバープレートの末尾番号により、市内への乗り入れを規制するロジージオは1997年に導入されました。ところが、交通工学公社の「第12回ピーク時評価報告書」によれば、2009年の平均速度は当時と比べ 33%遅くなっているため、実質的な効果がなくなったとしています。
 昨年、コンソラソン、レボウサス、エウゼビオ・マタラゾの各通りで帰宅ラッシュ時(午後5〜8時)の平均速度を観測した結果、11.7キロで、規制開始前(17.5キロ)と比べて3分の2程度に落ち込んでいました。朝のラッシュ時(午前7〜10時)も同様に、規制導入時から24%スピードが落ちています。
 1日に2種類のナンバープレートを規制するロジージオは、導入時は交通量の2割削減につながるとされていましたが、近年は車両台数の急増に対し従来の道路数では対処しきれず効果がないと、かねてから指摘されていました。
 同報告書によると、1997年以降のサンパウロ市人口は8%の増加、車両台数は43.2%も増加しています。車両所持率も09年は61%で12年前と比べ15%増えています。こうした現状からサンパウロ市は、規制を奇数・偶数制に変更することや、市内通行料制度の導入など新たな規制策を模索しています。