サンパウロ新聞に気になる情報が載っていましたので、そのまま転載します。
12日付エスタード紙が報じたところでは、ジュースやシャーベットにして食べるアマゾン原産の果実「アサイー」は、日本や欧米に限らず国内でも大人気。ところがこのアサイーに、シャーガス病の寄生虫がいる可能性があると、カンピーナス総合大学(Unicamp)が厚生省との共同研究の結果を発表した。
パラー州やアマゾナス州で栽培されているアサイーは、栄養価が非常に高く、ポリフェノールはブルーベリーの18倍。鉄分や食物繊維、カルシウムなども豊富で、1980年代から国内外で注目され始めた。
国内ではダイエットや滋養強壮効果があるとしてブームが起き、実際、ダイエット効果はないようだが、その食感の良さから病みつきとなり、毎日食べる人もいるほど。昨今では街頭でも販売され、アイスクリーム感覚で口にできるようになった。
今回の研究によると、熱帯病のシャーガス病は近年、寄生虫トリパノゾーマを媒介するサシガメなどからの感染が減少する一方で、8割までが食物から感染。これを辿った結果、アサイーに行き着いたという。
従来、トリパノゾーマは低温環境で生息できず、アサイーは冷凍保存すれば問題ないとされてきたが、今回の研究ではマイナス20度の環境でも生存が確認され、繁殖機能も損なわれていないことが分かった。
研究者らによれば、輸出商品のように低温殺菌処理すれば問題ないが、同処理法は国内消費商品には義務化されておらず、市販のアサイーに寄生虫が混入している可能性は否定できないという。
シャーガス病=長期間の潜伏期間を経て心臓疾患や歩行困難、消化器系の疾患などを発症し、死に至ることもある熱帯病。蚊を媒体とするデング熱に比べて認知度が低く、従来は吸血昆虫のサシガメ(バルベイロ)が媒体となって人体に感染する。
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ブラジルには日本ではなじみのない病原菌も多く、旅行者は注意する必要がありそうです。