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日系わずか6家族の市で市長に渡辺正男氏再選

ncb2008-10-30

 マットグロッソ州州都クヤバ市から北方300キロにある人口1万7000人の地方都市サンジョゼ・ド・リオクラロ市の市長選で、現職の渡辺パウロ正男氏(55)が4500票(得票率55%)で再選を果たしました。わずか日系家族が6家族しか住んでいない市での市長再選は快挙です。
 同市はブラジル国内でも製材の町として有名で、渡辺氏はここで外科医をしていました。1983年、家族でパラナ州マリンガ市から同市に移住、ここに診療所を開業、確かな腕と人柄で評判が良く、診療所は繁盛していました。
 ところが、移住当時、地場産業の製材所は40を数えたいたのに現在は数か所に激減、街は年を経るごとに活気を無くしていきました。4年前、街を再生するには斬新な政策が必要と市民の間から声が上がり、渡辺さんは市長候補として担ぎ上げられ当選、今回再選されたわけです。
 1期目に渡辺氏は、同市に若者たちを引きつけようとクヤバ市にある連邦、市立大学の分校を誘致する一方、貧困家庭児童のための託児所を設立するなど市民の心を先取りする政策を次々と実施し、行動する市長として市民から賛辞を浴びてきました。今回の再選は、こうした渡辺氏の政策力が評価されたものです。2期目は、製材の街を維持するとともに、工業都市を目指し企業の誘致に力を入れていくことにしているということです。