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高射機関銃武装の麻薬組織

 ブラジルの横文字紙「グローボ」が、リオ市内ファヴェーラの麻薬組織が軍用ヘリコプターを撃墜できる威力をもつ機関銃で武装している、と報道しました。機関銃はボリビア陸軍からの横流しで、パラグアイからフォース・ド・イグアス(観光目玉のイグアスの滝がある町。密輸が多いことでも知られています)経由で入手されたもの。警察は今年だけで9丁も押収しています。
 機関銃は旧チエコ製で、実戦における歩兵援護射撃用。50発を自動的に発射し、弾丸は1500メートルも飛ぶということです。兵器弾薬取締署(Drae)が押収した場所は、コンプレキソ・アレモンで2丁、デンデーガ丘(ゴヴェルナドール島)で2丁。その他はミネイラ、ドーナ・マルタ、マンギニョス、サンジョンなどの丘でした。情報によると、ボリビア陸軍の一兵舎からだけで同種機関銃40丁が紛失しているといわれれます。
 連邦警察は先週、ヴォウタ・レドンダ管内でフォース・ド・イグアスから来た観光バスを調べ、燃料タンクに麻薬、武器弾薬類が多量に隠されているのを見つけ、押収しています。これらはリオのファヴェーラへ届けられ、そこからその他のファヴェーラの仲間たちに振り分けられる予定だったもので、押収武器のなかにボリビア陸軍紋章入りの機関銃1丁が混じっていたそうです。
 これまでの麻薬組織の武器入手ルートは主としてブラジル陸軍兵舎。2003年に纏められた秘密文書によると、1950年から2001年までに警察の武器弾薬取締部(Dfae)がリオ市内で押収した武器は20万丁。うち3万5000丁は軍及び警察専用のものでした。それらは麻薬組織と組んだ一部軍人による横流しとされています。