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誘拐犯を撲殺、残る共犯二人を警察へ引き渡す

 誘拐されたのは、運送業のペドロ・デ・ソウザさん(21)。ペドロさんが16日午後8時30分ころ、サンパウロ市近郊カラピクイーバにある家族で経営する運送会社の前を通りかかると、若者を伴った親類のニウソン・デ・マットスが呼び止めました。親類ということで不審に思わなかったペドロさんが近寄っていくと、いきなりピストルを突きつけ脅し、アメリカーナ市の住宅に連れ込まれ監禁されました。そして犯人たちは、ペドロさんの自宅に電話を入れ、身代金R$20万(約1300万円)を要求したのです。
 翌17日の夜になって、ヴィーラ・マルガリーダに移動、その間、ペドロさんは手足は縛られませんでした。しかし、犯人の一人ロビソン・バルボーザからは終日ピストルを突きつけられ、脅かされていたといいます。
 ところが、連日の緊張で犯人も疲れが出たのか、ピストルを突きつけていたロビソンが居眠りを始めました。ペドロさんは、その時を狙い近くにあった手斧をつかんでロビンソンに殴りかかり撲殺すると、次いで、ロビンソンのピストルを奪って今度は残る犯人二人を制圧、車で警察へ連行し引き渡しました。
 犯人のうちペドロさんの親類のニウソンは逃亡しましたが、その妻が共犯容疑で逮捕されました。身代金は未払いだったということです。ブラジルでは「誘拐ビジネス」といわれるくらい身代金目的の誘拐事件が頻発しています。ついに親類さえも信用できないところまで来てしまったようです。