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日本、新幹線売り込みに躍起

 ブラジルに日本の新幹線を―ブラジル国内の高速鉄道整備計画に、日本政府、関連企業が新幹線導入へ本格的に働きかけています。国土交通省の柴田耕介審議官はじめ、JR各社の関係者が来伯し、ブラジル政府要人らと意見交換を行い、積極的な売り込みを開始しました。
 ブラジルの当面の高速鉄道計画は、リオ・デ・ジャネイロサンパウロ間を経て、サンパウロ市近郊の工業都市カンピーナス市までの約500キロを、時速250〜300キロで結ぶもの。リオ―サンパウロ間の所要時間は1時間30分の計画で、運行が開始されると、移動者の多い同区間だけに利用者には大変便利になります。
 同計画の総事業費は約110億ドル(約1兆1000億円)の予定。ブラジル交通省は、2009年度内に入札によって事業者を決定、2010年工事開始、2015年から運行開始する予定です。
 現在、建設に関心を示しているのは日本のほか、フランス、イタリア、韓国など。その中でも、日本の新幹線とフランスのTGVが有力視されています。フランスはアルゼンチンの高速度鉄道を入札しており、最大のライバルになりそうです。ただ、リオ―サンパウロ間は山が多く、日本は高度なトンネル技術を持つだけにやや有利との声もあります。
 日本側は、この7月に訪日予定のルーラ大統領に正式要請する予定で、事前に大統領側近、経済人などの新幹線試乗も行うことにしています。ブラジルに日本の新幹線が採用されれば、2007年3月に全線開通した台湾新幹線に続いて2国目の導入国になります。
 日本側は、日本方式の地上デジタルテレビ放送導入に続く大型案件とあって、官民挙げての売り込みに懸命です。もしブラジル新幹線の受注が決まれば、日伯経済関係の緊密化に大きく寄与することは間違いありません。