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中国がインフレを輸出

 ブラジル国内市場には、中国製品があふれています。今年だけで中国製の家庭用品、装飾品、ブリンデ、工具類2万2000点が輸入される予定で、価格面で太刀打ち出来ないブラジルのメーカーは、携帯ラジオ、CDプレイヤなどの生産を中止しました。
 消費者の多くはまだ気づいていないようですが、その中国製品が最近は徐々に値上げされ、5%から高いものでは10%も価格が上昇しています。中国は人民元安、低賃金、労働市場規制の緩やかさから安値製品を長期にわたってブラジルに輸出してきました。このためインフレの抑制に大きな役割をしていましたが、最近の中国製産品の価格上昇で、今度はインフレを輸出するようになったといわれ始めています。
 中国のインフレは2月に過去12か月累計が8.7%になっています。この数字は諸外国にくらべて高く、年間10%もの経済成長が続く中国ですが、オリンピックを前に需要の急増が考えられ、先行きインフレのさらなる昂進が心配されています。中国からの輸入品が多いブラジルでは、このインフレまで輸入するのではないかと懸念する向きが多くなっています。