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麻生外相訪伯、ブラジル紙の報道

 訪伯した麻生太郎外相は21日、ロドリゲス元農相と昼食を共にするなど活発な外交を展開しました。麻生外相訪伯をブラジルの有力経済紙、GM(ガゼッタメルカンチル)紙は、おおよそ次のように報道じています。

 日本が自動車の代替エネルギーとしてアルコールを導入するかどうかは、同国の最大の関心事である環境問題をクリアできるかどうかにかかっている。日本は、実行に移すまでに慎重な検討を重ね、時間がかかる国。長期的視野に立つのが日本の特徴で、アルコールを導入しても安全と分かってから、導入するかどうかを決めることになるようだ。日本はブラジルのマンガに市場を開放するのに、なんと26年もかかっており、一事が万事この調子である。。
 ブラジルがアルコールを日本市場に供給するのは難しいことではない。日本は年間600億リットルのガソリンを消費するが、3%のアルコールを混入しても年間必要量エタノールは18億リットルで、同量はブラジルの生産量の10%にすぎない。もちろん、危険分散ということを考えれば、ブラジル産アルコールにのみ依存したくはなかろうが、ブラジルの生産量は5年で50%の増産になることを考えれば、ブラジルが安定供給できるのは間違いない。
 農業関連では両国は歴史的に二つに集約すべき事柄が挙げられ、その一つは来年100周年を迎える日本人移民。彼らは野菜、果物、養鶏の技術と組合組織を導入した。70年代には日本の融資で二、三世達が、プロデセール計画に基づきブラジル中西部のセラード地域(不毛の灌木地域)に農業前線を開拓した。以降、同地域ではセラードの穀類生産が爆発的に伸びた。この二つは、日本がこれまでにブラジルに貢献した大きな功績だ。
 これからは歴史の第3局面を建設するチャンス。地球の農業地図を変革するエネルギー開発モデルの創設である。ブラジルは米国にカリブでのアルコール開発を提案しているが、農相は日本にアジアでのエタノール開発を提案することになろう。

 以上のように、日本(日本移民を含め)を高く評価しています。特に、来年の日本移民100周年に触れ、日本移民の功績にも触れ、讃えていることは注目すべきことでしょう。日本人、日本移民がブラジルで、それだけ評価され、存在感を発揮しているということになるからです。