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最高裁が議員給与倍増案に待った

 ブラジルの上下両院執行部が国会議員の給与倍増案を決定(現行1万2847レアルから2万4500レアルに引き上げ)しましたが、国民の神経を逆撫で、ブラジル弁護士会(OAB)や全国司協会(CNBB)など有力団体からも強い批判を受け、連邦最高裁も無効と判断しました。これで議員給与倍増案は棚上げされました。
 最低給与(350レアル)所得層は1日12レアルの生活。国会議員の日収は現在430レアルで雲泥の差。議員たちはこれでも少ないと91%アップし1日の収入を830レアルに引き上げたわけです。給与倍増案の提案者はカリェイロ上院議長ブラジル民主運動党=PMDB=アラゴアス州)とアルド・レベロ下院議長(ブラジル共産党=PCdoB=サンパウロ州)で、両議長は次期議長選に立候補を予定しており、当選確保のため議員たちにサービスしたものといわれています。
 ちなみに国会議員の給与は2003年以降、4年間、据え置きになっており、この間のインフレ率は28・4%。この間のインフレ目減り分を調整するなら、1万6500レアルに引き上げれば十分です。議員たちのお手盛り給与案は、国民の反対で、見事葬り去られたことになります。