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日本人の結婚詐欺師現る

結婚詐欺というのは日本で古くからある詐欺師の手口ですが、サンパウロでブラジル人女性を相手に数万レアル(100万円から200万円ぐらいか)を巻き上げる事件が発生した。これを知った日系社会の1世たちは、「ブラジルでは日本人というだけで信頼される。これを逆手に取った、日本人を貶める犯行だ」と、犯人捜しに躍起になっています。犯行の手口は、以下のようなものでした。(サンパウロ新聞より)

 被害にあったのは、美容院店オーナーのブラジル人女性。犯人とおぼしき男性は、日系一世(日本人)の初老の男性。「タダシ」と名乗るその日系一世は、クリチーバに二人の子ども、二世の妻とともに生活していると話したという。被害者(ブラジル人女性)によれば、「タダシ」は二世とは違った一世独特の話し方をしていたそうだ。被害者は美容院を開設する前、娼婦としてサンパウロのセントロで働いていた。
 ある日「タダシ」は、被害者の女性が働いていた店にやってきた。何時もクリチーバから黒のモンザでサンパウロへやって来ては被害者の店に顔を出し、いつ日か店の常連となっていた。通い始めてから1、2年。毎回被害者と外泊するような関係になり、「タダシ」との関係は客というより恋人に近い関係になっていた。彼は人当たりがよかったのと同時に、被害者は日系一世には悪人はいないという観念に陥ってしまったことから、彼を完全に信用するまでになった。そして、ちょうどその頃美容院を始めた。
 今年に入り、「タダシ」は「今の家族と別れて、あなたと結婚したい。教会で結婚式を・・・」、「ゆくゆくは二人で日本に出稼ぎに行き、日本の美容技術を習ったらどうか」など、巧みなうまい話を持ちかけ、被害者は彼の甘い言葉に酔いしれた。順調な交際を続けていたある日、「タダシ」は彼女の虎の子数万レアルを言葉巧みに銀行から引き出させ、二人を乗せた車が聖市のコンソラソン街に差し掛かったときのこと。
 「タダシ」は車を止め、被害者に飲み物を買いに行くよう頼んだ。その時、被害者は数万レアルの入ったバックを助手席に置いたまま飲み物を買いに出かけたのが命取り。買い物をして戻った時には、「タダシ」は車もろとも消えてしまっていた。
 なぜ車の中に金品を置いていったのか。被害者は「今後の付き合い、日系一世への絶対的信頼があったのでそんな事態は想像してもいなかった」という。