犯罪が多く、少しの油断もできないブラジルで暮らす人たちは、日本へ来てもその習慣がでてしまう。例えば、観劇の時や駅などで生理的欲求のために席を立つ場合、全ての持ち物を手にトイレを探し、用を足す。大きな荷物を両手に持ち、うろうろとトイレを探している人を見たら、ブラジル在住の日系人かもしれない。日本人の多くは、洋服でも荷物でも平気で座席に残したままトイレへ行く──このような日系ブラジル人の行動を書くことで、日本の安全性を強調しているブラジルの新聞記事を目にしました。
ただ、いまの日本では公衆の場では置き引きが頻発しており、この日系人の行動を笑っているわけにはいきません。以前のように安全ではなくなったのが日本で、むしろ日系人の用心深さを見習う時期になったともいえましょう。
日系人たちが訪日した折り、つい向こうの習慣で、全ての荷物をうろうろし始めたとき、「ここは日本ですよ。そう心配しなさんな」と、以前のように笑えるように日本の安全神話が復活してほしいものです。
